【業界別】ARの活用事例まとめ
Release 2021.05.11
Update 2022.06.15
近年ARを活用する企業が増えてきています。
ARと聞くとポケモンGOなどのゲームを思い浮かべる方も多いですが各業界で導入が進んでおり、実際に活用しているという企業も多くなっています。この記事では各業界でどのようにARが活用されているのか、ARの活用事例をまとめています。
これからARを導入しようかな…と考えている方はぜひ参考にしてください。
小売り業界の活用事例
IKEA Place「IKEA」
IKEA Placeは家具量販店の「IKEA」が提供するARアプリです。
IKEAが販売するほぼ全ての商品に対応しており、購入前に自分の部屋に設置した様子を確認することができます。また実寸大で表示されるので自分で採寸を行う必要もなく「購入したけど部屋に入らない」なんてトラブルも防ぐことが可能です。IKEA以外にもニトリやAmazonといった企業でも同様のARアプリがリリースされています。
アパレル業界の活用事例
Watches Try On「GUCCI」
Watches Try Onはアパレルブランド「GUCCI」の公式アプリに搭載されているAR機能です。
自分の好きな時計を選択して手首にカメラを向けることで、バーチャルの中で試着することができます。GUCCI公式アプリから試着して気に入った時計を購入することもできるため、顧客も購入アクションを起こしやすいと言えるでしょう。ただし、時計の重さまでは確認できないので重さが気になるという方は実際に店舗に行って試着する必要があります。
DressingRoom by Gap「GAP」
DressingRoom by Gapはアパレルブランド「GAP」が提供するARアプリです。
アプリからGAPが販売している好きな服を選択することでサイズ感や雰囲気の確認ができます。
自分のボディーサイズを設定して作成された3Dモデルを見ながらサイズを合わせられるので「購入したけどサイズが違った」というミスを引き起こす可能性が限りなく低いです。
もちろん気に入った服はアプリ内から購入へと進むことができるのでユーザーも購入しやすくなっています。
美容業界の活用事例
ARメイクアップシュミレーター「株式会社ファンケル」
ARメイクアップシュミレーターは化粧品及び健康食品を取り扱う株式会社ファンケルが提供するARアプリです。メイクのビフォーアフターを端末上で確認できたり、メイク後の画像をダウンロードすることもできます。化粧品は自分の肌に合うかを確認してから購入するという女性が多くオンラインショップで購入することに躊躇う方も多いですが、このアプリを使用すればバーチャル上で自分に合うのか確認が可能できるためそのまま購入につながります。
NAIL HOLIC「株式会社コーセー」
NAIL HOLICは化粧品の製造販売を中心に行う株式会社コーセーが提供するARアプリです。
アプリを起動させて自分の爪を撮影することでAIが自動で爪を認識し、NAIL HOLICシリーズの200色以上のネイルをバーチャル上で試すことができます。普段は中々チャレンジできないような色でもこのアプリを使って試すことができるので、顧客が新しい色と出会える可能性を高めます。
顧客が普段買わないネイルまで請求できるということで売り上げの向上も期待できるでしょう。
観光業界の活用事例
決戦!岡山城「岡山城」
岡山県にある岡山城はゲーム感覚で城内を楽しめる「決戦!岡山城」というARアプリを提供しています。アプリのカメラを覗きながら岡山城を散策するとカメラ内に関ヶ原の戦いに参戦した武将が登場します。この武将と一緒に写真撮影を行うことで武将カードを獲得でき、すべてのカードを集めきると関ヶ原の戦いの再現ムービーを入手できます。
ただ散策するのではなく主体的な体験を促すことで小さな子供でも歴史を楽しむことができるようになっています。ただし、期間限定の観光用アプリのため現在はプレイできないようです。
パンフレットにARを活用「九十九島動植物園」
長崎県の九十九島動植物園は来館者に配布するパンフレットにARを活用しています。
パンフレットのマーカーにARをかざすと可愛いペンギンたちの映像を見ることができます。動物にも機嫌があるため見に行った時に必ず可愛いしぐさをするとは限りません。しかし、ARを活用することで来館者に一定以上の満足度を与えることが可能です。また、来館しないと見れないという価値を付け加えることで集客効果を上げる効果も期待できます。
教育業界の活用事例
ベーシックジーニアス英和辞典 第2版「株式会社大修館書店」
ベーシックジーニアス英和辞典は出版社の株式会社大修館書店が販売する英和辞典です。
ARアプリ「RICOH CP Clicker」をインストールしたスマホで巻頭カラーページの「ピクチャー・ディクショナリー」を撮影すれば英単語や英会話を再生できます。従来であればCDが付属するものが一般的でしたが、AR技術を用いることでスマホ一つで学習ができるようになっています。
CDを制作する手間やコストを省けるという面を考えても非常に良いARの活用方法だと言えるでしょう。コストを省けることで書籍自体の値段を下げられることにもつながるかもしれません。
グラフィックサイエンス 最新理科資料集「明治出版株式会社」
グラフィックサイエンス 最新理科資料集は明治出版株式会社が販売している理科の資料集です。
ARアプリ「COCOAR2」をインストールしたスマホで資料集内のARに対応している資料を撮影することで、自然現象が発生する様子を見られたり実際の人間で臓器の位置を確認できたりします。
ただ資料を眺めるよりもリアルに伝えられるので、より生徒の理解度を深め学習意欲の向上にも繋がるでしょう。
物流業界の活用事例
ビジョンピッキング「DHL」
ビジョンピッキングはドイツの国際輸送物流会社「DHL」が活用しているサービスです。ARグラスを着用することで、商品を納める位置などの情報をARで確認することができます。
ピッキングミスを防いだり、手で資料を持つ必要がないため作業効率が上がるというメリットがあります。実際にビジョンピッキングを導入したことで作業効率が25%向上したという結果も出ています。ただし、ARグラスの導入に多少の初期コストがかかってしまう点に注意が必要です。
遠隔業務支援システム「NEC」
遠隔業務支援システムはシステムインテグレーター「NEC」が提供するシステムです。
現場で作業している人と遠隔地の支援者で視界と音声を共有することができ、支援者は作業者にまるで隣にいるかのようにサポートを行うことができます。また、支援者から作業者へのデータの送信、作業者から支援者へ視界映像の録画を送信することも可能です。
支援者が現場に行かなくても指示を行えるため、人手不足で困っている企業でも作業者の安定した教育を行うことができます。
建築業界の活用事例
建築AR「戸田建設」
建機ARは建設会社「戸田建設」が開発したARアプリです。
実寸大の3Dモデルを現場に表示させることで建機を作業現場に設置できるのかを事前に確認することができます。また建機の性能も反映されるように開発されているため、実際に動かした際のシミュレーションまで行うことが可能です。
従業員はより安全が確保された現場で安心して作業を行うことができます。
まとめ
ARは様々な業界で導入が進んでいます。
ARを導入することで今まで以上に消費者にアピールできるようになったり、作業効率の向上などの効果を期待することができます。しかし、ARの導入にはそれなりのコストがかかります。ARの導入を考えているという方は費用対効果を考えた上で導入に進むのか否かを判断するようにしましょう。