SDGsとは?企業が嫌われないために取り組むべき課題とメリット・デメリット
Release 2021.06.01
Update 2022.06.14
2015年以降、「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉をよく耳にするようになりました。
「環境に良さそうな言葉」と、ふわふわしたイメージをお持ちの方も多いでしょう。 「SDGs」は、私生活でももちろん意識をしたいものですが、特にビジネスをするなら必ず意識をしなくては、世間にバッシングされてしまうかもしれません。
これからも地球に生きるものとして、積極的にSDGsに取り組んでいきたいものです。 この記事では、SDGsや、SDGsと混合されやすい「サスティナブル」という概念について、詳しく説明していきます。
今後ビジネスをしようと考えている方は、この記事で概念おさえて、SDGsを掲げた経営を目指してみてください。
INDEX
SDGsとは?未来の地球と人々のための目標
SDGsはもともとSustainable Development Goalsの略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
今まで人間は、資源を使って悠々自適に生活のしやすい環境を作ってきました。
しかし、このまま生活を続けるといずれ資源は尽き、環境は変化し、生活環境が破壊されていきます。 「持続可能」な環境作りは、現代に生きる人々の責務だと言えるでしょう。
「SDGs」とはつまり、「世界共通の目標」です。 環境問題・飢餓・貧困などの世界が抱える問題を解決を目指すため、2015年の国際サミットで加盟国すべてが同意し、決定されました。
具体的には、2030年までの15年に渡り達成すべき17の目標・169のターゲットを掲げています。 発展途上国と先進国がともに取り組むため、地球上の「誰も取り残さない(Leave no one behind)」ことを誓っています。
SDGsの17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- 全ての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任・つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公平をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
目標は多岐に渡り、子供から大人まで全ての人が取り組むように求められています。
SDGsのメリットは?
企業はSDGsを正しく理解し、それぞれの事業の観点からアプローチをしていくことで、メリットを生み出すことが可能です。
SDGsのメリット①:企業の信頼が上がる
環境や社会を思いやる政策をすることで、消費者や株主、取引先や地元の人々から信頼を得るきっかけになると言えます。
地域のボランティアへの参加や、課題の解決、雇用の実施に取り組むことで、地域にも愛される企業になるでしょう。
また、ブランディングになると言っても過言ではありません。
SDGsへの取り組みに知名度が上がれば、ブランドとしてのイメージ向上が期待できます。
商品選びに悩んだ消費者は、最終的にSDGsに取り組んでいる企業に価値を感じてくれる可能性があります。 さらに、ブランディングができていれば就職希望者も増え、より優秀なメンバーの採用ができるようになります。
SDGsのメリット②:経済力の向上が見込める
SDGsに取り組むことで企業イメージがアップすれば、必然的に売り上げや収益がアップしていきます。
また、省資源や省エネを目指すことで、コストの削減になることも。
社会やステークホルダー(消費者や株主、取引先など)から信頼を得ることで、長期的な収益の安定を狙うことも可能です。
また、環境を配慮した新規事業や新製品の創出により利益が生み出せれば、働きがいのある会社として社員からの満足度も上がり、離職率が下がります。 長期的に、新しい社員の採用経費を抑えることもできます。
SDGsのメリット③:社員の満足度が上がる
企業全体での前進をするためには、働く一人ひとりがSDGsに取り組み、意識が傾けられる環境を作っていくことが重要です。
SDGsでは、経済成長だけでなく、働きがいについても求めています。
働きがいがあると感じる企業とは、社員に対しても理解があり、働きやすいと感じる環境であることが重要でしょう。
ジェンダー平等の問題などパーソナルな部分についても理解し、社員が平等な環境で働けるようになることで、企業へ愛を持って勤務してくれる社員が増えます。 企業を愛する社員が増えれば作業効率も上がり、企業としての業績もアップが見込めるでしょう。
SDGsデメリットは?
長期的な目で見るとメリットの多いSDGsですが、企業規模や取り組む期間によってはデメリットが生まれるのも事実です。
デメリット部分についても確認していきましょう。
SDGsのデメリット①:従業員にとって負担になる
SDGsに取り組むために、今までなかった作業が加わることが多いです。
企業は利益を求めながら、時間をさいて方向性を決定・実行しなくてはいけません。
「SDGsウォッシュ」と呼ばれる言葉があります。
SDGsウォッシュとは、SDGsの目標を達成することを掲げている企業が本当は取り組んでいないことや、SDGsとは逆の方向に進んでしまうことを意味します。
SDGsに取り組もうとした結果、他のSDGsに関する目標が打ち消されてしまう場合もSDGsウォッシュの一つです。
例えば、SDGsを実現させるために社員を必死に働かせすぎた結果、社員がプライベートを楽しむ時間がなくなってしまうなら、それはSDGsの達成とは言えないでしょう。
SDGsを実施するために、従業員にとって負担が増えてしまうなら、元も子もありません。 SDGsの実現のため、バランスをとるのは難しいこともあります。
SDGsのデメリット②:コストが必要
環境を配慮した商品製作や新規事業への取り組みにより、コストがかかるケースも多いです。 計画によってはコストをかけずにSDGsを実施することも可能ですが、企業規模によっては人員を採用する必要があるなど、ある程度は配慮しなくてはいけません。
SDGsとサスティナブルの違いは?
SDGsはサスティナブルな環境を作るために作られた目標を意味します。
つまり、SDGsは一時的に掲げられたサスティナブル達成のための目標です。 SDGsはサスティナブルの一部である、と表現すればわかりやすいでしょうか。
サスティナブルは日本語で「持続可能性」です。
「サスティナブルな商品」であれば、環境が持続するために配慮された商品であることがわかります。
例えば、プラスチックの利用は環境破壊に大きな影響を及ぼすと言われています。 最近では多くの企業がサスティナブルを目指して、もともと利用していたプラスチック製品を廃止し紙製品で代用するなどに努めているのがうかがえます。
これからの企業のあり方:SDGsを意識しよう
以前は、人間にとって便利なサービスを生産していれば喜ばれる時代でした。
しかし現代では、SDGsに反する企業は好まれず、社会から排除されていく傾向があります。 この記事を読んでドキッとした企業様は、少しずつSDGsへの取り組みに手を伸ばしてみてください。